第6日(2017.2.26) 江尻 → 六合
丸子
安倍川を渡り、ルートを進むと交通規制の看板、「丸子宿場まつり」と書いてある。先日の吉原の毘沙門様といい、よくもお祭りに出くわすものだと我ながら感心する。宿場まつりと銘打つわけだから今回の旅にマッチしてて好都合な話だ。

20番目の丸子(まりこ)はwikiの記載によると東海道ではもっとも小さい宿場。宿場入口となる見附(ここでの表記は「見付」)跡には木製の門が再現されていて、ここからが祭り会場とわかりやすい。見附を入ると「丸子宿」と書いてそのほかに「四つめ屋」、「油屋」などと書かれた薄緑色の大きな暖簾が道のわきに並ぶ。気になりつつも誰にも尋ねることがなかったのだが、当時の町割り再現なのだろうか。それにしては間口が狭すぎる。
姫様道中という行列のイベントがあるらしいが、まだその気配もないので、まずはメイン会場と思しきところで腹ごしらえ、無料の丸子汁(いまだになんだかわからない)と思ったが、恐ろしく長い行列を見てギブアップ、100円の猪汁で手を打つ。後は地元名産品としてお茶とみかんを購入。


混雑をかき分け進むと途中で時代衣装の行列とすれ違うが、これが姫様道中なのかわからないまま西へ、目指すのは丁子屋のとろろ汁。何しろ、とろろ汁といったら広重の浮世絵にも、芭蕉の俳句にも、十坂舎一九の東海道中膝栗毛の中にも出てくるほどの丸子宿の名物、広重の東海道五十三次の鞠子(丸子)宿ではこの丁子屋が出てくるし、筆者のように西に進むものにとっては、この先に待ち構える宇津ノ谷峠を越える前に精を付けておきたい必須アイテムなのだ。

丸子のお祭りで開店時間の11時を少し回ってしまったが、ここで昼食と決め、猪汁もそこそこに、胃袋にももう少し待てと言い聞かせてのとろろ汁なのだったが、なんとお祭りのせいで大変な混雑、お店の人に「15分待ち」と言われてしばらく待っていたが、いやいや、15分は無理でしょう。サバ読みすぎですよ。急ぎますのでと告げて早々に退散、お祭りがかえって仇となってしまった。弥次さん喜多さんはお店の夫婦喧嘩に巻き込まれてせっかくのとろろ汁を食いそびれたが、同じ心境、祭りの混雑で問屋場跡も本陣も確認できず、とにかく丸子宿は心残りの多い宿場となった。

<つづく>
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