第3日(2017.2.4) 風祭 → 原
 
  <その1> 箱根 

始発電車に乗り6:35に風祭駅に着いた。





天下の険と言われる箱根越えを目指し快調に歩き出す。途中、民家の庭先にポツンとある梅の花が気になり立ち止まる。なんだか2度目のツアーとなると我ながら心の余裕を感じてしまう。


     


箱根湯本の手前の三枚橋で早川を越えたところに無人のミカン売り場があった。体が温まってきて上着を脱ぐついでにこれからの箱根越えに備えて1袋を購入。サルが勝手に持って行ってしまうので厳重に錠前がかけられている。





関所までの上りは5年前に経験済、東海道の行程の中で数少ない未舗装と舗装道路を繰り返しながら標高を上げていく。石畳の道は一部復元もあるが、江戸時代のままの山道をそのまま保存してある。前回のスニーカーに懲りて今回足回りは万全。あとは防寒、歩き始めるとボディは良いが、指先はどうにもならないので山で使う極寒用のグローブで装備した。カメラを操作したり指先を使うときはこれを外さねばならない煩わしさと引き換えになる。


     


快調に高度を上げ、途中の集落に出てきたところでいきなりマイク放送、これから一斉にイノシシ駆除を行うとのこと。小田原と箱根との間にできた間(あい)の宿で、畑宿という地名。各宿場の距離が長い時などに、間に休息のため設けられたもので、ここ畑宿は寄木細工の里でもある。


     


さらに高度を上げると江戸時代から営業しているという茅葺屋根の甘酒茶屋に到着。山道の旧道と車道との間に挟まって立っており、バス停もあるので徒歩の客とドライブ客が混在する。中に入ると薄暗い中に最小限の照明と囲炉裏の匂いがたまらない。





名物の甘酒、それから力餅を磯部とうぐいすの二色で戴く。夏場なら「ところてん」か、「しそジュース」がおすすめ。東海道walkの話をしたら、やはりこの時期に箱根を越えようというのは珍しいらしく、帳面を差し出されたので本名(当たり前だが)で記帳。





walk再開、旧道は車道から見ると茶屋の裏側に続く。ほどなくしてピークとなる外輪山を越え下り坂になる、ところどころ石畳の道を歩くが、下りは歩きづらくスピードが出せないのが難点。


     


立木のせいで眺望はよくなかったところに、気が付くといきなり目の前に芦ノ湖。湖畔にはホテルや遊覧船乗り場、マイカーの行き交う様子は普通の観光地だが、東海道の杉並木と箱根関所跡も立派な観光資源。東海道は松並木がほとんどだが、箱根は冬寒く、杉でないと育たなかったためと聞いたことがある。
杉並木が終わってしばらく車道を歩くと今度は関所跡。箱根の関所は江戸から近いこともあってことのほか調べが厳しく、特に出女の取り締まりは厳重だったとのこと。


     


関所跡にある京側(西側)の門を出たあたりから東海道10番目、箱根の宿が始まるのだが、右側にあったはずの本陣跡をうっかり見落としてしまう。箱根駅伝の折り返し地点を示す標柱をひたすらに目指したためであろうか。