第1日(2017.1.7) 日本橋 → 平塚
 
  <その5> 藤沢〜平塚 

 
6番目の藤沢宿に入る。


     


ふじさわ宿交流館がオープンしたばかりで興味をそそられるも、目的地の平塚を目指さねばならず見学を断念。街道を少し入ったところに義経の首洗い井戸跡の看板。兄の頼朝に追われ自害した義経の首を鎌倉で検めた後、海岸に捨てられた義経の首が、境川を遡って流れ着き、それをここで洗ったのだとか。いやにさらっと書いてあるのがかえって恐ろしい。


     


藤沢から次の平塚宿まで13.7km、普通なら3〜4時間だが、うっかり安物のスニーカーで来たことから足の痛みと疲れで歩が進まない。一段高い歩道を歩いていると、民家などから車が本線へ横切って出るときの、ちょっとした傾斜でもつらくなってくる。途中に茅ケ崎の駅もあるので一駅電車に乗って、明日またここからスタートしても良いルールに決めたわけだが、そこは惰性で歩き続ける。普段の生活なら10km歩くなど考えもつかないが、そのつもりで50kmも歩いてくるとすっかり距離の感覚がマヒしている。明日の天気は下り坂との予報だから、今日のうちにできるだけ距離を稼いでおきたい。いろんな思いが交錯する。


     


茅ヶ崎駅前を通過したところで目の前にサイゼリヤが見えてきた。時計を見るとちょうど5時、冬場のことでもう暗くなってきたが、地図によると、目指す平塚のホテルはあと5kmのところ。もう先が見えてきたこともあり、ここで休憩を兼ねて夕食とする。毎回こんなパターンで良いのだろうか。ここまでの行程を振り返るのと明日の計画を立てながらチープなワインですっかりよい心持ちに。会計をする段でびっくり、何と2時間半も滞在していたことに気づく。こんなに長居するくらいなら、ホテルでゆっくり休んだほうが良いはずなのに、目先の快楽に負けた結果となる。


     


相模川の長い橋を渡って平塚市。ここまで東京中央区の日本橋から港区、品川区、大田区、神奈川県に入って川崎市、横浜市、藤沢市、茅ケ崎市、平塚市と歩いて来た。江戸時代であれば到底できないことだが、街灯を頼りに歩くことでだいぶ距離を稼いできた。途中のスーパーで夜食の食材を買い込み21時過ぎに駅前のホテルにチェックイン。


     


部屋に入ってスマホの歩数計を見ると99,673歩、あと327歩何とかしたい。思いはあったが、アルコールのせいで、気が付いたら・・・気が付かなくなってしまっていた。   (日本橋から64km)