その4 初高座

前回迄の話と少し前後しますが、今年に入り、卒業論文を提出して何とか大学卒業が決まりました。しかし新型コロナウイルスの影響で、卒業式は中止になってしまいました。悲しいですねぇ、一口では言い表せない色々な事が有った4年も通った大学の卒業式が無くなってしまうなんて、想像もしていませんでした。師匠の下へは、見習い期間中も月に数回通って、稽古をつけて下さっていました。初高座の日は、5月10日に和歌山市の居酒屋さん「鎹 かすがい」さんでの落語会に決めて下さいました。師匠がお若い頃から応援して頂いてる「鎹 かすがい」さんを初舞台の場に選んで下さったのです。

世間では、新型コロナウイルス感染者の増加で、営業自粛、イベント開催の自粛、スポーツからコンサート等、人が集まる事が出来なくなりました。和歌山でも感染者が増え、落語会は中止になってしまいました。何とか少人数で落語会を開催出来ないかと、3月に南森町で、師匠の御誕生日の日に開いた落語会で、公開お稽古と称して高座に上げて下さいました。その時に名前を頂ける事になり、夫婦で聴きに行かせて頂きました。名ビラには笑福亭夢二と書いて有り、良い名前を付けて下さったなぁと感激、その時初めて名付けて頂いた名前を知ったのです。演目は師匠の初高座と同じ演目「平林」です。ドキドキハラハラと落ち着きませんでしたが、トチる事無く無事に落ちまでたどり着き「ホッと」致しました。4月からは、正式に弟子として師匠のご自宅へ高槻から通う事になりましたが、コロナ渦の中、公共交通機関を利用しての移動は、とても不安でした。

師匠からも暫く、LINEでのリモートで稽古をつけて頂いていました。コロナの感染が落ち着き、緊急事態宣言が解除されても、大規模なイベント開催は出来ません。6月に楽しみにしていた、師匠の松竹座での独演会も中止になってしまいました。そんな中、規模を縮小しての落語会の依頼が有り、その日に夢二を初高座に上がらせて頂ける事になりました。6月7日、大阪市生野区寺田町の瑞光寺さんと言うお寺での落語会です。当日は噺の会じゅげむのメンバーで代表の寿亭司之助さん、潮吹亭くじらさん、六弦亭ざくろさん、びい亭るうずさんが駆け付けてくれました。落語会の冒頭に師匠自ら前説をして頂き、夢二へとバトンを繋いで下さいました。演目は「東の旅 発端」です。声も良く出ていて、表情も豊かにトチる事無くやり遂げました。師匠方にもお褒めの御言葉を頂き、幸先の良いスタートを切ったかに思いましたが、そうではありませんでした。

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それ行け! 夢二!!