その2 高月亭太陽から笑福亭夢二へ

それから噺の会じゅげむのメンバーとして活動して6年が経ち、高1で入った高月亭太陽は大学4回生となり就活に追われていました。本人も就職するのか、落語家さんに弟子入りするのか悩んでいましたが、中々就活も上手くいかず弟子入りする落語家さんも決まりませんでした。その頃、私のスマホのFacebookに突如、笑福亭鶴二師匠が飛び込んで来たのです。知り合いでは有りませんか?と。信じれますか? 嘘みたいな話してますが嘘では有りません。失礼な話ですが、その時まで鶴二師匠を知りませんでした。何で突然入ってきたのか? 何かの罠違うか? とか上手すぎるやろ? 怪しく無いか? 色々考えましたが取り敢えず友だち申請しとこうと申請したら直ぐに承認頂けたので、「承認ありがとうございますm(__)m」と返すと、「いえいえこちらこそ応援宜しくお願い致します」と返事が来たので中々律儀な方だなぁと好印象でした。

丁度その頃に息子に就職するのか、弟子入りするのか確認すると「咄家さんに弟子入りしたい」と言うので、「お父さんに任しとけ!」と胸を叩きました。しかし、咄家さんへの弟子入り志願のハードルは高く、どうすれば良いのか?分かりませんでした。宛の無いまま8月に入り私は困り果てていましたが、胸を叩いた手前息子に「諦めろ」とはとても言えません。その日はお酒も入っていたせいもあって(いつも呑んでいますが)、思い切って鶴二師匠に「息子を弟子にして貰えませんか?」とメールを送りました。次の日、師匠から返事が返って来ました。「おはようございます。一番大切なのは、本人さんのやる気次第ですので、一度、本人さんとお父様とお会いしてお話を聞かせて頂ければと思います。ご連絡をお待ち致しております。鶴二拝」とのお返事。この時も成りすましと違うか? ご本人やろか?  と何度も確認しました。

会って頂ける事になり、日時のお約束をして当日指定の喫茶「アメリカン」へ行くとお約束の時間にお越し下さいました。鶴二師匠の弟子入りの時のお話や、弟子時代のエピソードなど色々聞かせて頂き、我々が何故素人落語を始めたのか? 何故、鶴二師匠を選んだのか? と質問が有り、師匠の落語をyoutubeで拝見して「ちりとてちん」が凄く面白いかったですと答えてました。1時間程話をして弟子に取って頂けるのか? 頂けないのか?  結論が出なかったので、「息子を弟子にして貰えますか?」と訊ねると、「どうぞ!」と言うお返事にまたも拍子抜けした私はガクッと崩れました。「本当ですか?」、「良いですよ!」こんな事有りますか?嘘みたいな本当の話です。

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それ行け! 夢二!!