第6日(2017.2.26) 江尻 → 六合
 
  岡部 〜 藤枝 

 
    

21番目の岡部宿では本陣の門が再現されるなど、町としても力が入っているのが分かるが、なかでも目を引くのは大旅籠柏屋、「かしばや」と読むそうだ。中が郷土資料館になっていて、台所、客間などは当時の暮らしぶりが偲ばれる貴重な資料、建物も江戸時代のまま残されており、それ自体が資料館といっていい。時間があればゆっくりしたかったのだが、残り時間も少なく、土間から眺められる範囲だけにさせていただく。

     

 この日は22番目の藤枝までと決めていた。ただし、JR駅からは少し遠いのでその先の六合駅まで歩くことにした。東海道線を開通させる時に地形的な理由で、丸子、岡部ルートではなく、焼津市など今の海岸ルートになってしまったため、藤枝駅は旧宿場から2kmほど離れてしまった。鉄道が敷かれても当初は駅の近くは閑散としたものだが、次第に賑わいを増してくる。これとは反対に、旧宿場町のあたりはだんだんと寂しくなっていく。本陣跡、下木戸跡や伝馬所跡の位置を歩道のタイルに書き示してあった。

     

瀬戸川の橋を渡ってすぐのところに秋葉神社の立派な常夜灯があるが、すぐ隣に志太一里塚跡としてある。江戸から数えてちょうど50里、200kmのところだ。

     

藤枝駅から一つ先、六合駅のところでようやく旧道と東海道線が合流、その距離100m以内となった。ちょうど薄暗くなってきたのでこの日はここまでとし、在来線で静岡まで戻る。金券屋で新幹線の回数券をゲット、電車に乗る前に真っ黒な煮汁に黒はんぺんが特徴の静岡(しぞーか)おでんで一杯飲って帰宅。いつも夜行バスで始発電車の世話になるばかりだから、たまには贅沢してもよかろうと自分に言い訳した。


(日本橋から211.6km)