平成１５年１０月１２日は、噺の会じゅげむ岡山支店主催の第６回ふれあい寄席の日でした。この時の寄席は、大阪本店と小倉出張所のメンバーも出演しました。私は出演しなかったのですが、バイクでツーリングがてら遊びにいこうと密かに企画し、当日は突然、姿を現したわけであります。打ち上げにも参加させていただき楽しいひと時であったことは、今でも記憶に残っている次第であります。（当日の寄席の様子は、岡山支店のＨＰをご参照ください）今回のお話は、その前日のバイク旅における話です。　　　　　平成１５年１０月某日、岡山方面へのバイク旅を企画していた。第６回ふれあい寄席は、午後２時開演なので、それまでに到着できるよう逆算した結果、前日の宿泊地は、鳥取県若桜町にある〝若桜氷ノ山ユースホステル〟に決めて、予約の電話を入れた。　私：「予約したいのですが・・・。１０月１１日（土）、男１名です」　宿：「わかりました。なお、夕食は特別メニューで焼き肉となります。」特別メニューと聞いた私は、このユースホステルにおいて何か特別な記念日か何かで夕食がいつもより豪華になっているものと思った。ユースホステルというのは、男女別の相部屋形式の宿で、他の旅行者と情報交換が出来たりするので私は結構利用している。ユースホステルでは、開所○周年記念とか銘をうって催しをするところもあり、今回宿泊するユースホステルでも、そのような企画があると勝手に想像していた。１０月１１日（土）になった。自宅から、ホンダＸＲバハ（２５０ｃｃのオートバイ）に乗って出発した。天候は、曇り時々晴れ。まずまずの天気だ。高速道路（阪和道：岸和田和泉ＩＣ→中国道：滝野社ＩＣ）で、距離を稼ぎ、兵庫県の西脇市から一般道で目的地に向かう。
		播州峠で写真を撮る。この下を播州トンネルが貫いていて、この道は、国道427号の旧道である。実は私、誰も通らなくなり人から忘れられようとしている国道の旧ルートが好きなんです。
夕方、本日の宿である〝若桜氷ノ山ユースホステル〟に到着した。どうやら私が一番最初に到着したようである。　宿：「お疲れさまでした。先にお風呂に入っておいて下さい。　　　他の宿泊者が到着し、夕食の準備が整いましたらお呼びします。」一般の旅館と違い、ユースホステルの夕食は、だいたい宿泊者全員が揃って食事をすることになっている。私は、部屋に荷物を搬入し、浴場に行った。そして、ゆっくりお風呂に入り、疲れを流した。お風呂から上がって、とりあえず部屋に戻り、ベッドの上で仰向けになった。いつの間にかウトウトしたようで、気がつくと午後７時半を回っていた。しかし、この時間になっても他の宿泊者はおらず私一人であった。「遅いなぁ・・・。どないなってるんやろか？腹も減ったしなぁ～・・・。」すると、部屋に設置されてあるインターホーンから、「今、お客さんが到着しました。これから夕食ですので、１階の食堂に降りてきて下さい。」とのこと。私はベッドから起き上がり、食堂に行った。ここの食堂は、１００人ぐらい収容できる部屋で、ユースホステルとしては、かなり広いほうである。その真ん中のテーブルに、卓上コンロが一つ、ポツンと置いてあり、そのすぐ横に大皿で、野菜・お肉・おにぎりが盛ってあった。私は、そこで人の気配を感じた。女性が一人立っていた。今しがた到着されたお客さんであった。立ってても仕方がないので、その卓上コンロを挟んで、その女性と向い合わせに着席した。どうやら、夕食は、二人っきりである。だだ広い食堂で、２人だけで、焼き肉。このシュチュエーションがとても可笑しかった。一般の旅館ではまずあり得ないであろう。ユースホステルならではの夕食である。この女性も私と同じでオートバイで来られていた。北陸地方に住んでおられて、京都までは鉄道で来て、京都市内でオートバイをレンタルし、ツーリングを楽しんでおられるとのこと。お肉や野菜を焼きながら、旅談義を楽しんだ。しかし、今回は女性だったから良かったが、オッサンと二人で焼き肉やったら、どないなってたんやろうと思うと、これまた可笑しくなった。何はともあれ、お肉・野菜・おにぎりを完食したのであった・・・・・。翌朝、オートバイのエンジン音で目が覚めた。窓を開けて外を見る。どんより曇り空。昨夜の女性が、オートバイに跨り、出発していくところであった。私は、「安全運転でいってらっしゃい。」と呟き、走っていくオートバイを眺めていた。

このユースホステルは、およそ２年前、残念ながら廃業されたようです。ユースホステルの取り巻く状況（経営）は大変厳しいようで、私が宿泊した他のユースホステルでも廃業されたところがいくつかあります。お世話になりました。
それでは、次回もお楽しみに！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪第６話／完≫
第７話へ飛ぶ　　　目次へ戻る　　　　　　　　　特集へ戻る

平成１５年１０月１２日は、噺の会じゅげむ岡山支店主催の第６回ふれあい寄席の日でした。この時の寄席は、大阪本店と小倉出張所のメンバーも出演しました。私は出演しなかったのですが、バイクでツーリングがてら遊びにいこうと密かに企画し、当日は突然、姿を現したわけであります。打ち上げにも参加させていただき楽しいひと時であったことは、今でも記憶に残っている次第であります。（当日の寄席の様子は、岡山支店のＨＰをご参照ください）今回のお話は、その前日のバイク旅における話です。　　　　　平成１５年１０月某日、岡山方面へのバイク旅を企画していた。第６回ふれあい寄席は、午後２時開演なので、それまでに到着できるよう逆算した結果、前日の宿泊地は、鳥取県若桜町にある〝若桜氷ノ山ユースホステル〟に決めて、予約の電話を入れた。　私：「予約したいのですが・・・。１０月１１日（土）、男１名です」　宿：「わかりました。なお、夕食は特別メニューで焼き肉となります。」特別メニューと聞いた私は、このユースホステルにおいて何か特別な記念日か何かで夕食がいつもより豪華になっているものと思った。ユースホステルというのは、男女別の相部屋形式の宿で、他の旅行者と情報交換が出来たりするので私は結構利用している。ユースホステルでは、開所○周年記念とか銘をうって催しをするところもあり、今回宿泊するユースホステルでも、そのような企画があると勝手に想像していた。１０月１１日（土）になった。自宅から、ホンダＸＲバハ（２５０ｃｃのオートバイ）に乗って出発した。天候は、曇り時々晴れ。まずまずの天気だ。高速道路（阪和道：岸和田和泉ＩＣ→中国道：滝野社ＩＣ）で、距離を稼ぎ、兵庫県の西脇市から一般道で目的地に向かう。
		播州峠で写真を撮る。この下を播州トンネルが貫いていて、この道は、国道427号の旧道である。実は私、誰も通らなくなり人から忘れられようとしている国道の旧ルートが好きなんです。
夕方、本日の宿である〝若桜氷ノ山ユースホステル〟に到着した。どうやら私が一番最初に到着したようである。　宿：「お疲れさまでした。先にお風呂に入っておいて下さい。　　　他の宿泊者が到着し、夕食の準備が整いましたらお呼びします。」一般の旅館と違い、ユースホステルの夕食は、だいたい宿泊者全員が揃って食事をすることになっている。私は、部屋に荷物を搬入し、浴場に行った。そして、ゆっくりお風呂に入り、疲れを流した。お風呂から上がって、とりあえず部屋に戻り、ベッドの上で仰向けになった。いつの間にかウトウトしたようで、気がつくと午後７時半を回っていた。しかし、この時間になっても他の宿泊者はおらず私一人であった。「遅いなぁ・・・。どないなってるんやろか？腹も減ったしなぁ～・・・。」すると、部屋に設置されてあるインターホーンから、「今、お客さんが到着しました。これから夕食ですので、１階の食堂に降りてきて下さい。」とのこと。私はベッドから起き上がり、食堂に行った。ここの食堂は、１００人ぐらい収容できる部屋で、ユースホステルとしては、かなり広いほうである。その真ん中のテーブルに、卓上コンロが一つ、ポツンと置いてあり、そのすぐ横に大皿で、野菜・お肉・おにぎりが盛ってあった。私は、そこで人の気配を感じた。女性が一人立っていた。今しがた到着されたお客さんであった。立ってても仕方がないので、その卓上コンロを挟んで、その女性と向い合わせに着席した。どうやら、夕食は、二人っきりである。だだ広い食堂で、２人だけで、焼き肉。このシュチュエーションがとても可笑しかった。一般の旅館ではまずあり得ないであろう。ユースホステルならではの夕食である。この女性も私と同じでオートバイで来られていた。北陸地方に住んでおられて、京都までは鉄道で来て、京都市内でオートバイをレンタルし、ツーリングを楽しんでおられるとのこと。お肉や野菜を焼きながら、旅談義を楽しんだ。しかし、今回は女性だったから良かったが、オッサンと二人で焼き肉やったら、どないなってたんやろうと思うと、これまた可笑しくなった。何はともあれ、お肉・野菜・おにぎりを完食したのであった・・・・・。翌朝、オートバイのエンジン音で目が覚めた。窓を開けて外を見る。どんより曇り空。昨夜の女性が、オートバイに跨り、出発していくところであった。私は、「安全運転でいってらっしゃい。」と呟き、走っていくオートバイを眺めていた。

このユースホステルは、およそ２年前、残念ながら廃業されたようです。ユースホステルの取り巻く状況（経営）は大変厳しいようで、私が宿泊した他のユースホステルでも廃業されたところがいくつかあります。お世話になりました。
それでは、次回もお楽しみに！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪第６話／完≫
第７話へ飛ぶ　　　目次へ戻る　　　　　　　　　特集へ戻る