余部鉄橋ツーリング!の巻
 第 5 話
.   
「余部鉄橋」とは、兵庫県香美町香住区余部にある鉄橋。
JR山陰本線の鎧駅と餘部駅との間に位置しています。
全長309.4m、橋脚の高さ41.5mで、トレッスル式鉄橋としては日本一の規模を誇り、
山陰本線の名物です。鉄橋は、余部集落をまたいで東西の山に架け渡され、
東側に東下谷トンネル、西側に餘部駅があります。
明治42年12月着工。アメリカより輸入した鉄材を使用し、機械力の乏しい中、
明治45年1月に完成しました。

ある日、この余部鉄橋が、コンクリート橋に架け替えるための工事が始まるということを聞きました。
私は、この余部鉄橋を生で見たことがなかったので、工事着工までにぜひ見ておきたいと、
一念発起したわけであります。思い立ったら吉日ということで、
時は、平成20年3月31日、愛車のホンダ・CT110(ハンターカブ)に乗って出発です。
朝、自宅を出発し、途中の篠山市で昼食を済ませました。
そして、午後3時頃、目的の余部鉄橋に到着しました。
国道には、横断幕が張ってあり、鉄橋への感謝のメッセージが書いてあります。




鉄橋の下にバイクを駐車し、地上から鉄橋を見上げます。

    


余部鉄橋のすぐ横にある餘部駅のホームへ行き、鉄橋を渡る列車を見に行くことにしました。
余部鉄橋が完成したのは、明治45年1月のことですが、餘部駅が開業したのは、昭和34年4月のことです。
駅の開業に際しては、地元の小学校児童の要望がかなり強かったことが影響しているそうです。
その昔自家用車などもなかった頃、余部集落の人たちが山陰線で町に出るためには、
徒歩で余部橋梁を渡り、トンネルをくぐって隣の鎧駅(約1.8km)まで行かねばならなかったといいます。
駅の建設の際は住民たちも駅造りを手伝ったそうです。

しばらくすると、浜坂方面から上り列車(普通・豊岡行き)が到着しました。
鉄道ファンや鉄橋ファン(?)で、大混雑です。
普段は、無人駅ですが、この日ばかりは、駅員を配置し、スピーカーで注意喚起をしています。


        
豊岡行きの列車が余部鉄橋を渡っていき、鉄橋の向こう側にあるトンネルへと吸い込まれていきました。
ちなみに、私がこの写真を撮るために立っている場所は、カメラを構えた人たちでひしめき合っていました。
今度は、下り列車(普通・浜坂行き)がトンネルから出てきて、余部鉄橋を渡り、餘部駅に到着です。
またもや大混雑です。
           

ここ余部鉄橋で忘れてはならないのは、昭和61年12月28日に起きました列車転落事故です。
強風にあおられた回送の客車列車が鉄橋から転落し、鉄橋の下にあった水産加工工場を直撃。
尊い命が失われました。ご冥福をお祈りし、余部鉄橋を後にしたのでした。

余部鉄橋は、現在、コンクリート橋への架替工事中ですが、その進捗状況は、次のHPで確認ができます。

   http://www.town.mikata-kami.lg.jp/www/contents/1179742996109/index.html

   (↑ 香美町のHPです)



それでは、次回もお楽しみに!
                                            ≪第5話/完≫


 第6話へ飛ぶ      目次へ戻る              特集へ戻る