番外編 その一  伊勢参宮神乃賑(いせさんぐうかみのにぎわい)

 今回は上方落語ではお馴染みの「お伊勢参り」に

スポットを当ててみました。その昔「伊勢に行き

たや、伊勢路が見たや、せめて一生に一度でも」

とまで歌われ、一連の「東の旅」シリーズの目的

地でもある伊勢神宮に行ってきました。

 

 「ラハが北山、底でもいれよか!(意味のわから

ない方は落語『東の旅』の『煮売屋』を聴いてみ

てください)」ということで、まずは、伊勢名物

「伊勢うどん」の定食で腹ごしらえ。真っ黒なつ

ゆがかかったうどんで、見かけは辛そうですが、

食べてみると意外とあっさりとして太めの麺で

のど越しもよく、たいへんにおいしかったです。

 伊勢参りのスタート地点「表参道」の入口付近

です。今回の案内役の右が潮吹亭くじらさんと左

が私(寿亭司之助)です。ちょっと風が強かった

ですが、天気も良く絶好の伊勢参り日和?でした。

【写真は合成です(どちらが合成でしょう?)】

 

 手水舎で身を清めてから、「外宮(豊受大神宮)」

へ通じる表参道を歩きます。静かで荘厳な雰囲気

を醸し出しています。伊勢神宮はまず「外宮」に

参拝してから「内宮」を訪れるのが正しい参拝の

方法だそうです。

 

 「豊受大神宮」が鎮座まします「外宮」の正宮で

す。中は撮影禁止ですので、外で記念撮影。伊勢

神宮では、20年に1度「式年遷宮」で正宮はも

ちろんのこと別宮も境内の中で建物をそっくり建 

て替えて神様が引越しをします。

 

お次は「内宮(皇大神宮)」です。祭神は、いわ

ずと知れた「天照大御神」。日本人の総氏神です。

 

 

 清らかな五十鈴川を渡り、正宮へ向かう表参道で

す。さすがに宮域も広いですし、参拝者も多いよ

うですな。

 

石段を上ると「天照大御神」が鎮座まします「内

宮」の正宮があります。石段から上は聖域で撮影

禁止です。

 伊勢参宮で有名なのが「おかげ参り」。旅費が無

くても家を飛び出して伊勢に向かいました。でも、

街道筋では、そういう人の為に無料の宿なんかが

あり、そのおかげで無事に参詣ができたそうです。

左は当時の賑わいを感じさせる「おかげ横丁」。

 

 この「おかげ横丁」で是非とも見て欲しい目玉が

「おかげ座」のジオラマ。実物の1/2で精巧に

再現された「おかげ参り」当時の参宮街道です。

街行く人の話し声なども聞こえてくるので、臨場

感たっぷりに楽しめます。

 「おかげ参り」の旅人に酒や食べ物を振る舞い、

湯をつかわせ、宿を提供するといった伊勢の人た

ちの施行(せぎょう)の様子が生き生きと再現

されています。

 

 

 

        

 

 当時の商家の様子も忠実に再現されています。

左は店の帳場で鼻ちょうちんを出して居眠りを

している番頭さん!?

 

 このジオラマの後半は遊郭になっています。ほの

かにぼんぼりの灯った赤い門をくぐると華やかな

色街の世界が広がります。

 

 どこぞの大店の旦那さんと別嬪の太夫さんとの

お大尽遊びの図。

 

最後は三重県津市で活躍されている「寝床の会」

の寄席見学です(実はこちらが今回の旅のメイン

イベント)。それぞれのメンバーの個性が光って

いて、実にアットホームな感じの素晴らしい会で

した。うちの会も負けないように頑張らねば!!

 
                                                     2002.1.9 実施

 

「伊勢参宮神乃賑」などの旅ネタに関しては、「上方落語テーマ別分類」の「特別付録」をご参照ください。

                                                                        風流落語旅トップに戻る