京都編 その二

  誓願寺〜蛸薬師

 京都市内のただのスナップ写真!?

 いいえ違います。落語ファンならたいてい

 の方が聞いたことのある所だと思いますよ。

 解答は、次の写真です。

 

 柳馬場押小路虎石町(やなぎのばんば・

 おしこうじ・とらいしちょう)の西側と

 言えば、『胴乱の幸助』の中に出てくる

 浄瑠璃「桂川連理柵(かつらがわれんり

 のしがらみ)」の「お半長右衛門帯屋の

 段(お半長)」の舞台です。

 

 

 浄土宗西山深草派の総本山、誓願寺です。

 このお寺は、落語家の始祖とも言われる安

 楽庵策伝(あんらくあん・さくでん)上人

 で有名ですね。このお人は、茶人としても

 有名で小咄の名人やったそうです。

 

 境内に入るとすぐ、古くなった扇を奉納す

 る「扇塚」があります。

 扇は神仏を招くものという意味があるそう

 です。

 このお寺では、安楽庵策伝上人にあやかり

 芸事の上達を祈願し、扇子を奉納します。

 誓願寺は、『三十石』の中でも紹介されて

 います。

 

 私たち落語にたずさわる者の御用達のお店、

 新京極にある「大西京扇堂」です。今回は、

 ここでメンバーのくじらさんが高座扇を購入

 しました。

 

 

 新京極通の一角にある蛸薬師。元々は、沢

 薬師やったそうですが、それが、訛って蛸

 薬師と呼ばれるようになったとのことです。

 このお薬師さんに蛸を断ってお願いをする

 とどんなイボでも取れるそうです。落語で

 は、大ネタの『こぶ弁慶』や『三十石』に

 登場します。

 こちらは、藤山寛美さんが御用達だったと

 いう扇子屋さん「宮脇売扇庵」です。店内

 は、ギャラリー風になっており、京扇を眺

 めるだけでも楽しいところです。

                                        2000.2.12 実施



当編に登場した落語のあらすじ

胴乱の幸助(どうらんのこうすけ)

けんかの仲裁が何よりも好きという割木屋のおやっさん(人呼んで「胴乱の幸助」)が、稽古屋の

前を通りかかると、中で「お半長」の浄瑠璃の稽古をやっている。それを聞きつけたおやっさん、

本当のけんかと思い込み、大阪からわざわざ三十石船にのり、「お半長」の舞台である京都の

柳の馬場押小路までやって来てそのけんかを収めようして騒動が起きる。

こぶ弁慶(こぶべんけい)

大津の宿に泊まった旅人が、宿の壁土を食べると、数日後に発熱し、右肩にイボができた。

そのイボがだんだん大きくなってこぶのようになり、やがて、そのこぶが言葉をしゃべり出す。

自分は武蔵坊弁慶だというのである。実をいうと、食べた壁土は、大津の絵師又平が描いた

弁慶の絵姿が塗り込めてあって、もう一度、世に出たいという一念が乗り移ったのであった。

そのこぶの弁慶が結構わがままで、元の人間の自由にならなくなり大騒ぎになる。

                                                                   

三十石(さんじゅっこく)

落語国探訪「京都編その一・高台寺〜伏見編」を参照してください。

                 

                             

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