十一の扉(酒) (2006.5.29)
「拾八さん、酒はどうですか?」
「まあ、嫌いや無いですけど」
「どれくらい?」
「付き合い程度です」
私の酒はこんな所ですかね。子供の頃は飲んでなかったですよ、あたりまえや!
私の父親はまったく飲まなかったので、家には酒は無かったです。
初めて酒を知ったのは高校三年の冬です。
私は姉の家から高校へ通っていました。それも自転車で。
ある冬の寒い日、登校前に喉が乾いたのでお茶をと思い台所へ行くと、
小さな茶瓶が有ったので、コップに注ぎいっきに飲みました。
「あれ、味が違う!?」
時すでに遅し、夕べの義兄の燗酒の残りでした。
しかたがないので、そのまま登校しました。
するとどうでしょう、ホコホコと暖かいではないですか。
数日後見ると、又茶瓶が有るではないですか。
その日も寒い朝でしたので、頂いてしまいました。
次の日も有りました。でも、中身は無かったです。そこで私は考えました。
なにも燗酒の残りでなくってもよい・・・。有りました。一升瓶が!
それを頂いて登校しました。私の酒は味わうのではなく、暖房の道具でした。
そうこうしているうちに卒業となり大阪へ出てきて社会人となったので、
あとは自由に飲んでます。
第二の出会いは、落語を始めてからです。
「みゅーじあむ」という居酒屋に出会ってから、本当の日本酒という物を知りました。
その辺の酒屋で売ってる清酒は、本当の意味での日本酒ではないそうですね。
「みゅーじあむ」が無くなったのは、本当に残念です。
私は、今、病気になってしまい療養中の身の上です。
でも、病気が直れば、また、飲みたいなあと思っています。
おいしい本物の日本酒を・・・。
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